バイオマス発電
バイオマスとは、生物を表すbioと質量を表すmassを組み合わせて作られた言葉で、「再生可能な生物体由来の資源」のことを指します。
化石燃料も元々は生物体由来の資源ですが、数年から数十年のスパンでは再生可能でないため、バイオマスには含まれません。
バイオマス発電は、バイオマスを燃焼させた熱エネルギーにより水蒸気を作り、この水蒸気で発電機のタービンを回して発電する発電方式です。
バイオマス発電のメリット
火力発電との比較
化石資源を燃料とした火力発電では、化石資源内に固定化されていた炭素を二酸化炭素として大気中に放出してしまいます。
これに対してバイオマス発電で使用するバイオマス資源に含まれる炭素は、植物の生育過程で大気中の二酸化炭素が吸収され固定化されたものなので、燃焼させてこの炭素が二酸化炭素として大気中に放出されても、大気中の二酸化炭素の量は、その植物が生育する前の大気中の二酸化炭素の量と変わらないと考えることができます。
このような考え方から、バイオマス資源はカーボンニュートラルな資源と呼ばれます。
太陽光発電発電との比較
バイオマス発電の基本的な仕組みは、化石燃料を使用する火力発電と変わらないため、火力発電設備などインフラや技術を活用することができます。
また、化石燃料を使用する火力発電と同様に、設備利用率が高くベース電力としての利用が可能です。
バイオマス発電のデメリット
食糧問題との関係
トウモロコシなど食用として価値のある植物がバイオマス燃料として使用されてしまう場合があります。
森林破壊の問題
樹木のバイオマス資源としての利用が多くなりすぎると、森林の再生が間に合わず、森林が破壊されてしまう危険性があります。
カーボンニュートラルの維持
バイオマス資源を生産したり、輸送したりする際に多くの化石資源が使用されると、そのバイオマス資源はカーボンニュートラルと言えなくなってしまします。
バイオマス資源となる植物の生育時に大量の化石資源由来の肥料が使用される場合や、バイオマス資源を輸送する際に大量のガソリンなどの化石燃料が使用される場合がこれにあたります。